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第102回薬剤師国家試験問201の問題解説

こんにちは!薬剤師のシグロです。前回パルスオキシメーターの記事を掲載しましたが、今回はそれに付随した国家試験の問題を解説しようと思います!

パルスオキシメーターに関した過去問といえばやはり102回の問201ですよね。当時の受験生の方たちは相当焦ったに違いありません(笑)。

本番にこのような正答率が低い問題が出た場合捨てたほうが賢明ですが、過去問になってしまった以上再出題の可能性がありますのでぜひ解けるようにしましょう!

オキシメーターに関する記事を読んでいない方はリンクを貼っておきますのでぜひどうぞ!

sguro35pharmacist.hatenablog.com

 

さっそく問題をみていきましょう。

厚生労働省102回薬剤師国家試験問題

まず吸光度に関する問題が出題されたら、問題文にもあるようにランベルト・ベール(Lambert-Beer)の式を思い浮かべましょう。吸光度の問題はほぼランベルト・ベール(Lambert-Beer)の式を用いて解くように出題されています。

A=kcl  

ここでAは吸光度kは比例定数cは濃度lは層長を示します。

またランベルト・ベールの法則が成り立つこと、グラフから吸光係数の値が表示されていることから

ε=A/cl

が成り立ちます。ぜひこの式も覚えておきましょう。

εはモル吸光係数Aは吸光度cはモル濃度(1L中の物質量)lは層長(1cm)を示します。

モル吸光係数は式の通り、層長を1cm、濃度を1mol/L溶液に換算した吸光度を表します。

次に吸光度Aに関して2種類ありますね。665nmにおける吸光度A₆₆₅、880nmにおける吸光度A₈₈₀。また吸光度はHbとHbO₂のみが関与するため、

=吸光度A₆₆₅=波長665nmにおけるHbの吸光度A+波長665nmにおけるHbO₂の吸光度A

吸光度A₈₈₀=波長880nmにおけるHbの吸光度A+波長880nmにおけるHbO₂の吸光度A

となります。 

それぞれの吸光度Aはε=A/cl及びグラフの吸光係数の値から求めることができるため、

吸光度A₆₆₅=0.6×[Hb]×1 + 0.1×[HbO₂]×1

吸光度A₈₈₀=0.15×[Hb]×1+0.2×[HbO₂]×1

と表すことができます。

そして、A₆₆₅/A₈₈₀=0.8より

0.6×[Hb]×1 + 0.1×[HbO₂]×1 / 0.15×[Hb]×1+0.2×[HbO₂]×1 = 0.8

0.6[Hb]+ 0.1[HbO₂] = 0.12[Hb]+0.16[HbO₂]

0.48[Hb] = 0.06[HbO₂]

8[Hb] = [HbO₂]

したがって

[Hb] : [HbO₂] = 1 : 8

最後に酸素飽和度の式に当てはめれば

選択肢1の89%になります。

 

いかがでしたでしょうか。与えられた条件から式を思い出し後は数値をパズルのように式に当てはめれば解けるかと思います!受験勉強も折り返し、ぜひ頑張ってください!

それでは今日はこの辺で~