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第108回問95問の問題解説(薬剤師国家試験)

皆さんこんにちは。薬剤師のシグロです。

今回は第108回薬剤師国家試験問95の問題解説を分かりやすくやっていこうと思います!

では早速見ていきましょう。

厚生労働省より

苦手な方も多くいる酸、塩基の問題ですね。計算問題なので諦めて飛ばしがちですが、ほぼ必ず毎年1問出題される範囲ですので必ず解けるようにしましょう。この手の問題は緩衝液が分からなくても式さえ抑えておけば解けます(logの計算はできるように)。

※緩衝作用:外部からの酸や塩基が加わっても水溶液のpHをほぼ一定に保つことができる働きのこと。またその溶液を緩衝液といい一般に弱酸とその塩、弱塩基とその塩の混合溶液で作用が強い。

 

まず文中を見て何を求めたいのか、分かっていることは何なのかを探します。この場合、求めるものは0.18mol/Lアンモニア水溶液の液量、分かっていることは0.20mol/L塩化アンモニウム水溶液を100ml 用いていること、pH9の緩衝液を調製したいこと、pKb=4.7です。

さて、勉強してる人ならこれらの情報からある公式が浮かぶはずです。逆にこの時点で式が思い浮かばない人は勉強不足です。焦りましょう。

正解は、Henderson-Hasselbalchの式ですね。この式は酸塩基の問題でほぼ使わないことはないので必ず覚えておく必要があります。

ここで注意したいのが問題の緩衝液が酸性なのか塩基性なのか分からないといけません。今回はアンモニア水溶液が出てきているので塩基性であることが分かります。

次にpKbからpKaを求めましょう。

水のイオン積pKw=pKa+pKb=14 なのでpKa=14-4.7=9.3となります。この式もぜひ知っておきましょう。

また0.2mol/Lの塩化アンモニウムが100mlあるので物質量は0.02molとなります。ここまで情報が集まったら実際に公式に当てはめていきましょう。塩化アンモニウムは塩であるため水溶液中で解離しイオン形になるため0.02molを分母に持っていきます。したがってアンモニアの物質量をXmol とおくと

9=9.3+logX/0.02    となります。ここからはlogの計算となります。

                       -0.3=logX-log0.02

        -0.3+log0.02=logX

-0.3-2log10+log2=logX

             -2.3+log2=logX

               -2.3+0.3=logX

                       -2.0=logX

                  log0.01=logX

よってX=0.01molとなります

ここでアンモニア水溶液の液量をYとおくと、

アンモニア水溶液0.00018mol/ml×Yml=0.01mol

Y=0.01/0.00018=55.55...となります

したがって3の55mlが答えになります。

 

いかがでしたか?公式と情報さえ把握できれば難しい問題ではありません。類似問題をたくさん練習し本番で解けるように頑張ってくださいね!

それでは今日はこの辺で〜