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喘息発作の原因と症状

こんにちは新人薬剤師のシグロです!就職してはや3ヶ月が経とうとしていますが、まだまだ覚えることがたくさんあり苦労しています(笑)そんな中、喘息治療薬をしばしば見かけることがあります。基本的に喘息治療薬は長期で処方されますが、こう疑問を持った方も多いのではないでしょうか?「症状は出ていないのにいつまで治療を続けるの?」と。確かに喘息がもう出てないなら薬も服用する必要はないと思うのは当然ですね。しかし喘息症状が起こるのは結果であってその過程では様々なことが起こっています。今回は喘息の実態と治療薬の在り方について解説していきます!

この記事で分かること

  • 喘息の病態について
  • 治療薬を継続する必要性

目次

気管支喘息とは?

気管支喘息の病態ですが、定義としては、気道の慢性炎症をベースに、気道過敏性の亢進可逆性の気流制限を特徴とします。正常な方と比べると痰がからんだり、粘膜が腫れたり、気道が狭くなったりします。また、こういった気道炎症が持続すると気道壁が肥厚(ひこう)し硬くなるため、非可逆性の気流制限をもたらすリモデリングが起こり治りにくくなってしまいます。

      

つまり喘息は気道の炎症、気道の過敏性亢進、気道閉塞という段階を経て起こるというわけです。ですので咳が出なくなったとしても炎症や過敏症が続けば治ったとは言えません。

        

症状

症状は主に、咳嗽、ゼーゼーと音がなる喘鳴、呼吸困難夜間から早朝にかけてみられ、季節の変わり目や気圧の変化などで症状が悪化する傾向があります。誘発因子としては、ハウスダスト、ペット、花粉、タバコ、大気汚染物質(排気ガスなど)、ストレス、過労などが挙げられます。非発作時はほとんど症状はなく、また発作時にみられる喘息症状は氷山の一角にすぎず、喘息の本態は水面下に隠れています。

    

治療ステップ

喘息の国際ガイドラインによれば、軽症間欠型であるステップ1~2では低用量の吸入ステロイド(ICS)が基本となり、重症持続型であるステップ3~5ではICSに長時間作用性β₂刺激薬(LABA)や長時間作用性抗コリン薬(LAMA)であるチオトロピウム(スピリーバ)を追加していきます。また、短時間作用性β₂刺激薬(SABA)(メプチンエアー)はすべてのステップにおいて発作治療薬として症状緩和目的に使用されますが、依存が生じやすく過剰な依存は喘息死の原因となるためICSの必要性を指導する必要があります。

まとめ

いかがでしたか?喘息はただ異物を出そうとしているのではなく、炎症が起きてしまっているため過敏になっている状態です。治療を開始し気道の過敏性が消失するまでに約18カ月要するという報告もなされています。現在治療中の方はぜひ医師の指示通りに服用あるいは吸入してくださいね。

それでは今日はこの辺で~