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薬剤師国家試験酸性度塩基性度の問題解説

【1】この記事は薬学生向きです。

こんにちはシグロです!前回公開した酸性塩基性の解説を踏まえ、今回は実際に問題からアウトプットを図っていきたいと思います!最後までお付き合いください!前回の記事を見てない方はリンクを貼っておきますのでぜひどうぞ!

 

sguro35pharmacist.hatenablog.com

目次

101回問10 

最も酸性度が高いのはどれか。1 つ選べ。

まず構造式を見てみましょう。選択肢1はチオール、選択肢2,3はカルボン酸、選択肢4はフェノール、選択肢5はアルコールですね。まずは紹介したゴロで選択肢を絞りましょう。「ムキムキカルタフェチミア」より2、3>4>1>5となり、選択肢2と3まで絞ることができました。次に考えるのは誘起効果です。電気陰性度が大きいほど電子が引っ張られ、H⁺が放出されやすくなります。従って2>3となり答えは2となります。

106回問102

酸性の強さを比較したもののうち、正しいのはどれか。2つ選べ。ただし、第
一解離のみを比較するものとする。

        

まず選択肢1番から見ていきましょう。これはゴロで対処できます。したがって、アルコールよりチオールの方が酸性度が高いので誤りです。選択肢2番はアミンがありますね。アミンといえば塩基性を想像されますがその考えで正解です。芳香族と脂肪族、芳香族の方が電子が分散されるため電子密度が下がってしまいますから、右の脂肪族アミンの方が塩基性は強くなります。ここで大事なのは、塩基性が強いということはH⁺を受け取りやすい、すなわちH⁺が解離しにくいと考えることができます。別の言い方をすると塩基性が強いとその共役酸は弱いということになります。よって酸性が強いのは左の方になるので誤りです。選択肢3番は誘起効果によりフッ素が結合している方がH⁺が放出されやすく右より酸性が強いため誤りです。消去的に正解は4番と5番になりますが、4番はトリメチルアンモニウム基が電子求引基であるため酸性度が強くなります。この選択肢は正直分からなくていいと思いますので他の選択肢が削れればOKです。選択肢5番も誘起効果により説明できます。電気陰性度が高いClがカルボン酸に近いほど酸性は強くなりますから正しい選択肢です。

98回問10

塩基性が最も強い含窒素化合物はどれか。 1つ選べ。

これを解くにあたり、私は2つのポイントを使うことで5秒で答えに導けます。まず芳香族より脂肪族の方が塩基性が強いことアミドは塩基性を示しにくいことです。従って必然的に答えは選択肢5番になります。

まとめ

いかがでしたでしょうか?酸性、塩基性は法則を覚えていれば結構闘えます。もちろん根本的に理解することもとても大事ですが、必須レベルなら解説のような覚え方で十分です。ぜひ点数を取るための勉強をしてください!

それでは今日はこの辺で~。